前回はVライバーが知っておくべきLive2Dの知識における、細部動作の静と動について触れました。
▷ Vライバーが知っておくべきLive2Dの知識 細部動作編 Part.2
今回はPart.3に変わる出来ること編。
「IRIAMの特殊な動作って何ができるの?」
「逆に何ができないの?」
それについてザックリ説明しましょう。
「キーバインドってなんでしょう・・・?」
キーバインドとは、いわゆる特殊な動作をパソコンのキーなどで実行することです。
直近で姉妹事務所のbondで行われたYoutube配信で、Zenくんがたまにジャンプしていたことはご存知でしょうか?
これです↓

これはキーボードの”A“を押すジャンプするように設定していました。
まぁ本来はご操作を回避するためにボタンの組み合わせ設定するはずですが。
・このボタンを押すとこの動作をする。
・このボタンを押すとこの表情になる。
などが代表的です。
配信では利用されていなかったですが、Zenくんには他にもキーバインドが設定されていました。
それがこちら↓

キーバインドの特徴としては、その動作中は他の動作も利用可能という特徴があります。
先程のジャンプ動作中に口が動いていることにお気づきでしょうか?
設定したジャンプ動作を勝手に行ってくれて、それ以外は通常通りの動作ができるというイメージでしょうか。
これはキーボードが無くても利用可能で、スマートフォン上でどこをタップすればどの動作をするかという設定も可能です。
IRIAM(イリアム)でのキーバインド動作代替案
以前の記事にも記載しましたが、IRIAM(イリアム)にはキーバインド機能がありません。
どこをタップするればどの動作をするか、という設定も現在のバージョンでは不可となっています。
IRIAM側での特殊動作は頭部の動作に組み込む必要があり、それによって組み込んだ数だけ他の動作が犠牲になります。
Youtube用動作をIRIAM(イリアム)用に変換する
先程のZenくんのVRを装着する動作をIRIAM(イリアム)にも実装してみます。
そうですね・・・Z動作(傾ける動作)の→側に設定してみましょうか。
というわけで設定してみました↓

一つの動作が犠牲になっている
傾けるとVRを付ける。
これでVR装着動作を実装できましたが、一つ犠牲になった動作があります。
そう、→に傾ける動作です。
このZenくんをIRIAM(イリアム)で実装する場合、普段は→に首を傾けないよう細心の注意を払わなければなりません。
そして、→に傾けると必ずVRが装着されるということはVRをつけない→への傾きは存在しないことになります。
これが動作が犠牲になるということです。
一つの物理演算も犠牲になっている
更に一点、犠牲になっている動作があります。
キーバインドでZenくんがVRを装着する際、反動で髪などが揺れます。
しかし、IRIAM(イリアム)用に設定した場合はこの装着時に髪が揺れる物理演算は設定できません。
まぁ無理矢理やろうと思えばできるんですが、自然にやろうと思うと大変ですね・・・
IRIAM(イリアム)で実装できない動作
ちなみにジャンプ動作はIRIAM(イリアム)ではおそらく実装できません。
Zenくんのジャンプ動作は以下の3動作構成となっています。
・しゃがむ
・伸びる
・縦の位置移動
モデリング時はアニメーション設定を行い、モーションファイルを作成してキーバインドに設定という流れになります。
こんな感じです↓

ジャンプする際は反動をつけてジャンプしますが、
1.しゃがんで
2.しゃがみが戻り初めて
3.上への位置移動が始まり
4.体が伸びて
5.下への位置移動が始まり
6.着地時に反動でしゃがむ
7.もとの姿勢に戻る
ジャンプには性格には7回の動きがあります。
これはIRIAM(イリアム)で行う頭の動作内に含めるというはかなり厳しいものになります。
VRを付けるという動作は、一方向の単純動作です。

付けるか付けないか、という2パターンしか存在しません。
しかし、先程の動作は7動作。
もし無理矢理IRIAM(イリアム)で実装するなら・・・
・←傾けに位置移動(キャラが上に移動する)動作を設定。
・下を向く動作にしゃがむ動作を設定。
・上を向く動作に伸びる動作を設定。
とパラメータ設定。
キャラを動かす時は・・・
1.下を向く。
2.顔の位置を元の位置に戻しながら・・・
3.←にゆっくり傾けながら・・・
4.上に顔を上げて・・・
5,顔の位置を元の位置に戻しながら・・・
6.頭の傾きを戻しながら・・・
7.下をゆっくり見始めて・・・
8。顔をゆっくり元の位置に戻す。
・・・・でいけるかと思います。(高負荷)
ジャンプ単体の実装はできませんので、組み合わせてなんとかするというのが正しいですね。
これも呼吸動作使えばできるんですけど、呼吸タイミングによっては誤動作するんですよね・・・
特殊動作は一方向動作で
ということで、もし特殊な動作を実装するのであれば一方向の動作を選択しましょう。
・なにかを装備する。
・腕を上げる。
・目が変わる
etc…
ジャンプ動作のような、いくつもの身体動作が連動する動作やループする動作は回避しましょう。
今回はここまで!