前回は遂にIRIAM(イリアム)のLive2Dにおける特殊動作について、少しだけ込み入った話をしました。
▷ Vライバー(IRIAM)が知っておくべきLive2Dの知識 出来ること編
今回はもう少し踏み込んで、こんなのどう?といったお話です。
目次
Toggle家族揃って負荷が少ない実装を
これまでいろいろお話してきましたが、実際IRIAM(イリアム)で特殊動作を実装すると
・ママ(絵師さん)
・パパ(モデラーさん)
・子供(ライバーさん)
それぞれの負荷が超絶上がります。
例えば・・・
手のひらを見せて手を振りたい場合
この場合、ママとパパが高負荷になります。
まずママ(絵師さん)が大忙し。
通常立ち絵状態でのお手々は横めに描かれています。
手の平全てを表示している立ち絵はほぼ存在せず、手の平表示用のお手々の差分パーツが必要になります。
また、腕を上げる動作が必要になる為、腕も上げた時用の腕差分が必要になります。
※中間動作を考えたら気が遠くなるので考えないでおこう・・・
パパ(モデラーさん)も大忙し。
IRIAM(イリアム)のLive2Dで実装する場合、Z動作(体の傾き)で実装するかと思います。
—–ややこしいので読み飛ばしてもいいゾーン ここから—–
この場合、まずZ値が最大値(通常時が0、MAX傾きが頂点として30)になった際に手を上げて←に位置すると想定します。
傾き値が25に位置する場合は手の位置を中間点、20に位置する時は手の位置を→に位置することとします。
この場合、0から20に移動する際に腕を徐々に上げるとすると、少しでも傾いたら腕が上がり始めてしまうので原則傾き値が0〜10くらいの時は腕を上げないよう設定する必要があるでしょう。
10くらいから上げ始め、表示パーツを切り替え、15で腕を上げきって傾き値15〜20は同じ動作(手の位置を→)とすることになるでしょう。
これによって、傾き値が15〜30に位置している際には手を上げて動かしている状態を作ることができます。
—–ややこしいので読み飛ばしてもいいゾーン ここまで—–
てな感じですかね・・・いかがでしょうかモデラーの皆さん・・・
作ってる最中に気が狂いそう・・・
できればモーションファイルを作ってキーバインドにしたいですね。
察しの良い方はここまで読んだらわかるはず。
子供(ライバーさん)がこのLive2DをIRIAM(イリアム)で動かそうと思った時、想定通りの動きをしようとするとビックリするくらい高負荷です。
首の傾けを繊細に制御しなければなりませんからね。
首悪くしちゃいますよ。
せめて子供(ライバー)だけでも楽な実装を
ママとパパからすると、子供が楽に楽しく扱えるLive2Dのほうが良いのが事実です。
ということはどんな特殊動作なら良いか?
前回の記事を読んだ方ならわかるはず。
そう、一方向の特殊動作です。
こんな特殊動作のほうが面白いのでは?
というわけで今回もZenくんに協力してもらいましょう。
シンプルなZenくん。
そんなZenくんのLive2Dモデルに、また一つ動作を追加しました
眉毛を下げると疑問符が飛び出るZenくんです。
ママとパパの負荷は低く、子供の負荷も少なめ。
それでも眉毛を下げる動作は表情筋を酷使するので注意が必要。
雑談を主とするIRIAM(イリアム)において、雑談中に使える特殊動作はとても有効だと思います。
流れてくるコメントの内容の返答をする上で、「え?」といったリアクションをする際に使えるでしょう。
観ている側としても、リアクションがわかりやすいのでLive2Dにした甲斐があるのではないでしょうか?
合わせてこんなのも
眉毛を上げると感嘆符が飛び出るZenくん。
これも疑問符同様なので説明不要ですね。
IRIAM(イリアム)の標準機能よりも表情が伝わりやすいLive2D実装。
ただそれだけではただヌルヌル動く立ち絵でしかありません。
それなら、その表情のサポートをする機能を入れるのがIRIAM(イリアム)におけるLive2Dの理想形なのではないかと筆者は思います。
物理演算も追加できる特殊動作を
今回オススメした特殊動作は、?マークが左右に揺れる、!マークが上下に揺れるという動作が組み込まれています。
これは表示されていなかったものが表示される動作な上、他の動作に波及しないものだからこそ実装できる動作です。
前回のVRは表示される際に髪が主に揺れる動作でした。
これも物理演算を実装してもよいのですが、一つモデリングする際に考えなければならない点が生まれます。
それは、傾けた際にVRが表示されて髪も揺れる場合、通常時の髪揺れに影響が出ないか、出ても問題がない程度かです。
実際Zenくんぐらいシンプルであれば問題ありませんが、もっと髪のパーツ量や揺れる箇所が増えてくると結構悩みます。
Zの傾き動作には本来髪揺れも追加するので、そこにVR表示時の髪揺れ動作も追加するとなると、2種類の揺れ動作を考慮しなければなりません。
違和感のない実装を考えると、どちらかを消すのが妥当でしょう。
今回の!マークと?マークは表示されていなかったものを表示させ、その普段表示されていないものを出現と同時に揺らすというだけですので、他の物理演算には波及せず、シンプルな実装が可能となります。
まぁモデラーが頑張ればいいじゃんって言われたらおしまいなんですけど、、、
今回はここまで!